【卓球】WTT主催の国際大会で勝ってもパリオリンピック選考の対象外って本当?

2024/2/21(水

世界卓球(団体戦)で男女ともにBest8進出を決め、パリ五輪出場権(団体・シングルス)を獲得!

 

日本代表選手についてはこちら→『内定した代表選手について

出場枠の獲得についてはこちら→『日本はパリオリンピック出場枠をいつ獲得できる?

こんにちは。らっこです。

2024年のパリオリンピックに向け、卓球競技では早くも代表選考がスタートしました。

世界ランキングが重視された東京オリンピックまでとは違い、「日本独自のポイント制による選考」を行うことが発表されています。

 

「どの大会に出ればポイント対象?」

「WTTで優勝してもポイント入らないの?」

など、卓球の試合を見ながら疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

私自身もそんな感じで、テレビ中継で選考基準についての説明がさらっとあっても「あれ?じゃあこの試合は?」と少し混乱していました。

備忘録的な意味もあり、今回は「WTT主催の国際大会がポイント対象外」となった理由についてまとめます。

 

関連記事→【卓球 パリオリンピック代表選考ポイント表:最新版】

関連記事→『卓球 2024年パリオリンピック代表選考基準まとめ

パリ五輪代表選考においてWTTは対象外

日本卓球協会は「2024年のパリ五輪代表選考においてWTTを対象外とする」という考え方を承認し、公式に発表しています。

パリオリンピックの選考では、日本卓球協会が設定したポイント制が採用されました。

そして、ポイント付与される大会の多くが国内大会で、WTTシリーズの大会で結果を出してもポイントはつきません。

 

では、なぜWTT主催の大会がポイント対象外なのか。

その理由は大きく3つあります。

WTTの大会は出場権が公平ではない

WTT(World Table Tennis)は2021年スタートの卓球・国際大会の新シリーズです。

従来のITTFワールドツアーに代わるシリーズとして立ち上げられましたが、出場方法は以下のように大きく異なります。

 

  • ITTF 出場希望選手がエントリーして出場
  • WTT 世界ランキング上位者が優先的に出場。または、WTTが選出した選手が出場。

 

このルールでは、「世界ランキングが上位ではなく、WTTにも指名されなかった選手」は全く試合に出ることができません。

WTTでポイントを稼いで世界ランキングを上げようと思っても、そもそも試合自体に出られないのです。

あまりにも不公平なので、オリンピック選考において世界ランキングを基準にするのは難しいと判断されました。

もちろん、日本独自のポイント制でもポイント付与対象外となっています。

 

コロナ禍の影響で大会の開催が不透明

これはWTTに限ったことではないのですが、コロナの影響を受けている状況では大会を確実に開催できるか分かりません。

特に世界中から選手が集まる国際大会はリスクもあり、急遽中止になる可能性もあります。

そのため、中止になるリスクが国際大会よりも低い国内大会を、オリンピック選考では重視することになりました。

既存の国内大会に加え、「パリオリンピック選考会」を新設しています。

 

WTTのスケジュール発表が遅い

WTTのスケジュールはなぜだか分からないのですが、大会開催のギリギリで発表されることが多々あります。

コロナ禍で調整が難しいという理由もあるのでしょう。

ただ、日本卓球協会も国内大会のスケジュールを決めなくてはいけないため、WTTを待てません

パリオリンピック選考のスケジュールにも影響するため、WTTを省いて国内大会中心の選考を行うことになりました。

 

パリ五輪代表選考ポイントの対象となる国際大会とは?

WTTシリーズはパリ五輪選考の対象外ですが、パリ五輪代表選考ポイント付与対象の国際大会もあります。

それがこちらの3大会です。

 

  • アジア競技大会 シングルス戦(2022年9月)
  • 世界選手権大会 シングルス戦(2023年)
  • アジア選手権大会 シングルス戦(2023年)

 

ただし、2022年度の世界選手権大会(団体戦)がコロナの影響で4月から9月に延期された例もあります。

今後の状況によっては変更があるかもしれませんね。

 

実際に戦う選手たちの反応について

2022年3月に開催されたLION CUP TOP32(パリオリンピック選考会)終了後のインタビュー記事からの引用です。

 

伊藤美誠「日本の卓球界はTリーグで盛り上げたいって気持ちがあるんじゃないか。Tリーグで全勝した選手と、海外で勝ってもポイント差が変わらない。悪いわけじゃないけど、Tリーグだけじゃなくて選手一人一人がいろんな場所で活躍できるのが大事。ちょっと囲いすぎている感じがある」

張本智和「優勝したからといってこの方式に賛成というわけではない。せめてリーグ戦であれば多少の納得はできますけど、単純にドロー(トーナメント)とか、全日本(選手権)の結果が含まれているとか、急に決まった点が多すぎるっていうので」

 

選手にとっては少し疑問のある選考方法なのかもしれません。

もちろん「コロナ禍であること」「公平に出場できる国際大会が少ないこと」など、様々な理由があることは十分に理解した上での複雑な思いなのでしょう。

オリンピックで勝つためには海外選手(特に中国選手)と対戦して力をつけたいけど、代表選考では国内大会に注力しなければいけない状況…。

すべての選手が納得できる選考方法というのは難しいですね。

 

まとめ

日本卓球協会は、暫定版の選考基準として「WTT」を対象外としました。

ただし、WTTの運営が安定し全ての選手が公平に参戦できる状況になった場合、パリオリンピック選考に組み込む可能性があるとしています。

選手は強くなるために国内の選手だけではなく、海外選手との対戦を必要としています。

国内の選考対象試合を優先したことで、その機会を逃すようなことがないといいのですが…。

今後の動向もチェックしていきます。

 

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